武田麻美さんの2001年6月分レポート

JICの皆様、ご無沙汰しております。お元気でいらっしゃいますか。私は今、シェアマンホールの11階から見渡せるシャンペ―ン南一面の夜景を横目に最後 の報告書を書いているところです。夏季講習受講のため、すぐに移動してきたこの寮、特にこの部屋から見える夜景は涙がこぼれてきそうなほど、素晴らしいも のです。地平線の見えるのどかなこの風景をこうして見ることができるのも、あとわずかと思うと、去年の8月から今までの間の、数え切れないほどの経験や試 練、楽しかった思い出などで気持ちがこみあげてきます。慣れない外国での生活から、授業登録での苦労、授業への準備、徹夜で書きあげたレポート、英語での 初プレゼンテーション、テスト勉強、プロジェクト、経験したことのない厳しい寒さ、あんなに夢みていた留学がこんなに大変なものかと、いつ逃げて帰ろうか と何度考えたことでしょうか。でも、その反面、忘れられない貴重な経験も沢山できました。 思いがけないチェコスロバキア語の教授やクラスメートとの出会 い、様々な国からの学生との出会い、彼らといった旅行、ボランティア活動や教会で得た仲間達やその思い出、忙しい日本の生活ではできなかったであろうこれ らの貴重な経験は一生忘れられません。今は、もう帰国する時期が来てしまったのかという思いで、信じられない気持ちで一杯です。

さて、夏講座の様子の報告も含め、こちらイリノイ大学からの報告はこれで最後となります。(五月で授業が終わった時点ですぐに報告書を書こうと思っていたのですが、慌しく時が過ぎ、帰国が近くなってからの最後の報告となってしまったことをお許しください。)

春 学期終了後は、ほとんどの学生達が実家へと帰ってしまいました。親しくなった友人達との別れは辛かったのですが、夏は夏での出会い、また授業履修を通して の興味深い経験をしています。現在は、普段の授業とは一味変わった雰囲気の中で授業を受けています。(キャンパス内は学生が少なく、非常に静かです。) 一ヶ月の間に、半年分の授業を短縮してやり遂げるという、かなり大変な授業を受講中です。毎日午後、3時間をたっぷりと使い、もうスピードで授業が展開さ れます。私のクラスは、ファイナンスです。理論を学んだあとには計算問題を解かされ、解けるまで帰れないというスタイルです。また毎週木曜日にテストがあ り、もう気を抜いている暇はありません。インターナショナルスチューデントにとっては言葉の面でかなりきついとおもいます。この速さについていく自信がな く、落として帰ろうと思っていたのですが、クラスは小人数のためアットホームで講師とは親しくなることができ、問題学生の私にも協力的だったため、最後ま でがんばることにしました。講師自身が外国(アフリカ、コンゴ)出身なので、言葉の面での理解もあり、安心して授業を受けることができています。アメリカ へ来てすぐの失敗談やアフリカ文化の話しなど、面白い話しなどで授業を盛り上げてくれる講師で、授業へ行くのが非常に楽しみです。

またこ の間、授業と並行して、ドライビングスクールでレッスンを受け、自動車免許を取得することもできました。練習で、キャンパス内や周辺、隣町までドライブを しているうちに、この周辺の地理も全体的に把握できるようになり、また新たな発見も多くあり、始めから車があったら生活も随分違っていただろうなと感じま した。ハイウェイを70マイルで運転するという、初経験もすることができました。

今は、帰国を来週に控え、引越しセールをしたり、箱詰め をしたりと慌しく、帰国の準備をしています。引越しセールでは思っていた以上にすんなりと多くのものが売れました。時期的にもちょうど院生の学生達が入っ てくる時期で助かりました。日本人の持っているものだったら、長持ちするので安心なのだといって、多くの物を喜んで買っていったのには驚きましたが、非常 に嬉しかったです。

この一年を降り返ってみれば、本当に何もかもがあっという間に過ぎてしまったという感じがしてなりません。私の場合、 日本の大学は休学中、しかも帰国後もこちらの単位は移行されないため、渡米前からそして現在に至るまで、休学をする意義や将来への心配事は数えたら限があ りませんでした。しかし、別の意味で生涯忘れられない、充実した一年となりました。自分自身に自信がついたような気がします。渡米前の準備、こちらの生活 のスタート、大学の授業、ストレスのたまることもしばしばありましたが、さまざまな試練によって、精神的にかなり強くなれたような気がします。なぜここま でして、大変なことをしようと思ったのか、何度も自分の選択に疑問を持ったことがありましたが、渡米直後にJICのスタッフの方から頂いた励ましの言葉、 若いうちの苦労は買ってでもするべきだ、という趣旨の言葉をモットーに、何があってもこの一年は決心した以上、がんばるぞと思った瞬間がつい昨日のことの ように思えます。

こちらの大学の授業で学んだこと、教授やクラスメート達との出会いは、一生の宝ものです。また、こちらの生活を通して学 んだ英語は、これからも大切にし、ずっと勉強し続けていきたいと思います。ここでの経験はたった一年近くの経験でしかありませんが、言葉では言い表せない ほど、一年以上分の意義のあるものとなったと確信しています。自分を見つめ直すチャンスとなったとも思います。このような経験ができたのも、JICの奨学 生として選んでいただいたお陰です。また、それ以後の準備など、多くの皆様の協力やスタッフの皆様の影ながらの協力があったからこそできたものです。本当 に感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。これらの経験を通し帰国後は、今後の、奨学生の方達のため協力し、またJICへ恩返しをしたいという 気持ちで今は一杯です。この一年間、本当にお世話になりました。そしてこれからもどうぞ宜しくお願い致します。

6月2日

武田 麻美(東京外国語大学3年)

喜多亜貴子さんの2001年2月分レポート

「ハッピー・バレンタインズ・デイ」
2月14日。アメリカでは男の子も女の子も妙にそわそわワクワクする日。
夕方の授業。場所はリンカーンシアター。生徒は約300人。
授業開始から1時間、教授の指示で皆テキストの記事を読み始めた。
すると一人の男子学生が後ろのドアから入ってきて突然教授の側に近寄った。
何かを教授に耳打ちしている。約300人の生徒は訳がわからず何だ何だとざわついている。
教授がにやっと笑ってマイクを男子学生に手渡した。
「ジェニー、カムアップ!!」
手には赤いバラの花束と熊のぬいぐるみ。
「きゃーーー!!」「ヒューー!!」「オーマイガッド!!」
女子学生達のときめきの目と憧れのため息。
恥ずかしがって出てこないガールフレンドの元に彼は駆け寄った。
「ハッピー・バレンタインズ・デイ! アイ・ラブ・ユー!」
そう言いながらプレゼントを手渡した彼は教室を飛び出した。
驚いた顔で花束を受け取った彼女は去っていく彼の後姿を呆然と見ていた。
そして急に正気に戻り大声で叫んだ。
「ウェイト・アップ!!」
彼女は彼を追いかけてシアターから去って行った。
ほんの1・2分の出来事だった。
ドラマを見ているような夢のような出来事だった。
人の幸せで自分も幸せな気持ちになれた素敵な1日だった。

喜多 亜貴子

武田麻美さんの2001年2月分スペシャルレポート

おとといは雪であんなに寒かったのに、今日は信じられないくらい暖かく、今朝から雨と雷です。気候の変化は相変わらず激しいものの、先週ぐらいから急に暖 かくなり始め、春の予感はしつつあります。今日の気温は、最高16℃最低6℃です。平均的に気温は高くなりました。冬のコートを着て少し歩くと、蒸し暑い という感じさえ少しします。日もだいぶ長くなったのではないでしょうか。5時過ぎでもだいぶ明るい感じがします。イリノイ大学にも春がもうすぐだと思いま す。こちらの学生が口々に、春のキャンパスは最高よ!キャンパス内の芝生はまるでビーチのようになるのよと言っているのを聞くと、春が待ちどうしくてたま らないです。それにしても、気候の変化の激しさには体がついていけません。今は風邪がキャンパスないで流行っています。学生も欠席しがちになり、私の授業 では教授自身までもが風邪でダウン、休校にするわけにはいかず、苦しみながらも教えてくれるという状態です。

気分的にも天候に振 り回されてしまいがちな毎日ですが、それにも負けないように楽しみをちょくちょくと見つけては、気分的にリフレッシュしています。私の週一度の楽しみは、 コスモポリタンクラブの集まりです。こちらにいらした皆さんはご存知かもしれませんが、毎週木曜日の7時半から9時半、シャンペ―ンのジョンストリート、 キャンパスのユニオンからあるいて、5-10分ぐらいの距離にある民家(白い家)で行われます。毎週、その週を代表する国の料理や文化が紹介されま す。(ちなみに先週はロシアでした。)料理は立食できる程度の簡単なものですが、その横でその国の音楽や歌が披露されます。今学期はインド、シンガポー ル、トルコ等がありました。日本の日も近づいています。

留学生の数が多いせいか、毎週コスモポリタンは多くの学生で賑わっていま す。各国から来て学部で学ぶ学生、短期の交換留学生、日頃研究に没頭している院生達も、皆この日を楽しみに息抜きに来ている感じです。また、外国に興味の あるアメリカ人の学生達も混じっています。留学生同士、共通の悩みというのも話し合えますし、情報交換の場として私は気に入っています。世界各国からの様 々な学生と出会え、お互いの国を知ることができると言う意味で、私はこのクラブの集まりが楽しみで仕方がありません。

その他、キャンパス内にもそれ以外でも面白い活動や楽しい出会いが沢山あります。大学の新聞The Daily Illini には大抵、キャンパス内で行われる、イベントや講義などのスケジュールが乗っているので、面白そうなのを見つけては息抜きに出かけています。

こ の間は、映画「パッチ・アダムス」のモデルとなった、パッチアダムス本人が学生寮にゲスト滞在しており、話しを聞くチャンスがありました。私はあの映画す ごく感動したので、本人に会うことができ非常に感激しました。映画の通り、本人は非常に変わった人でしたが、人を楽しませるのが本当に好きなのがわかりま した。格好からして、医者という感じは全くなく、全くのピエロでビックリしました。パッチの価値観、人生観からして私にとっては非常に興味深く、とにかく 人間は人生笑って楽しまなくてはいけない、この世はなんでもパラダイスだという話しには元気づけられました。また、今問題となっている人と人とのつながり やコミュニティーの大切さについての話しは印象的でした。そんな彼がピエロの格好をして、各地へ赴き、このような講演を通して人を元気づける活動をしてい るというのにはとても納得する点がありました。講演の終わりには、学生の質問への応答、映画ができるまでの裏話など、貴重な話しが聞けることができまし た。またバレンタインの日だったので、ラブポエムも披露してくれました。

課題に追われ、遊ぶ暇がないほどの忙しい毎日ですが、こんな人との出会いを楽しみに、こちらの生活を楽しんでいるという感じです。都会でないだけ、素朴な楽しみぐらいしかありませんが、私はこの生活も結構気に入っています。

武田 麻美(東京外国語大学3年)

酒井祥子さんの2001年2月分レポート

ここアーバナ・シャンペーンに来て以来、休日にスポーツをすることが多くなりました。今回はそんなUIUCスポーツ事情を簡単に探ってみたいと思います。

ま ず、キャンパスを歩いていてよく見かけるのが、ジョギング派の人々です。時と場所を問わず、頻繁に遭遇します。次にIMPEに行ってみると、バスケ、バ レー、バドミントンなどの球技コート、いつ見ても大盛況のジムがある他、屋内・屋外プール、スカッシュやテニスのコートがあります。用具やタオルも貸して くれるので、Iカードさえ持っていけば良く、まさにUIUCスポーツのメッカと言える場所ですね。

またIMPE以外にも、UIUCにはス ポーツのできる場所がたくさんあります。まず、比較的空いたプールで集中的に泳ぎたければ、フリアホールがお勧めです。また発電所の横にある砂のコート で、ビーチバレーを楽しむのもいいかもしれません。そして、アイスアリーナでちびっ子に混じってスケートをするのも一案です。

いずれにしても、もし形から入りたければ、まずはあの典型的フィットネスルック(Tシャツ、スパッツ、スニーカー)を準備しないといけないようですね。

武田麻美さんの2001年1月分レポート

JICの皆様、ご無沙汰しております。お元気でいらっしゃいますか。

こちらイリノイ大学は、一ヶ月近くの長い冬休みを終え、後期に入ってから3週間近くが経ちました。休み明けは、またもやの大雪と発電所の火事が原因による 大学全体に渡る停電とが同時に重なるというハプニングに見舞われましたが(大学は休みになったものの、この寒にも関わらず、寮には暖房がつかない、次の日 までお湯が出ないという惨めな思いをしました)、今はあの頃のパニックも嘘だったかのように、キャンパス内は全体的に落ち着きを取り戻し、新学期の初々し い雰囲気が漂っているようにに思えます。雪は最近の大雨でほとんど消え、日は少しずつ長くなり始めました。今は、春が来るのが待ちどうしくてたまりませ ん。(いったんは暖かくなっているかのように感じたのですが、今日はまた急激に下がり気温は零下となる寒さでした。)

こちらの気候につ いてもう少しお話すれば、この冬は過去10年間のうちで最も厳しい寒さだったようですよ。(初めての冬なのでこれが普通と思っていたのですが、どうやら違 うようです。)冬休みはこちらで過ごしたのですが、連日のように雪が降り、気温は零下20度、30度という恐ろしい寒さが幾日も続きました。(これほど厳 しい冬は例年では稀なようです。)スノウ・ストームも何度かありました。外へ出たときの寒さは表現しようがありません。少し大袈裟かもしれませんが、沢山 の針が一度に頬に突き刺さるような寒さと表現すればいいのでしょうか。もう寒いという感覚がなく、痛いという寒さでした。(今も少しそうですが…)とにか く冬休みの間は、こちらでは暖炉の前でゴロリと過ごすのが最高です。しかし、雪景色のキャンパスタウンや周辺の公園や湖などは、辺り一面真っ白でとても綺 麗でした。(湖では氷が分厚く張り、アイススケートができました。)

さて、話しは変わりますが、冬休みに入る前には、期末試験がありま した。これも面白い経験になりました。とにかく驚いたのが、アメリカ人は大学でよく勉強するということでした。試験二週間前は寮全体が試験ムードとなり、 徹夜で頑張る学生達のために、夜は食堂で夜食のおやつが用意されたり、ユニオンの建物や大学のホテル自体が勉強部屋として開放されたりと、私もこの間はあ る意味でアメリカ人の学生に圧倒されながらもがんばった記憶があります。

そして、冬休みは先ほども書いたように、アーバン・シャンペ― ンで過ごしました。多くの友人が、この寒くて何もない場所になぜ留まるのか理解できないと、気の毒がりましたが、日頃あちこち歩き回っていたせいか、地元 に知り合いもいてこの町自体に少しでも長くいれたらという気持ちでした。逆に、やることがあって私なりに充実していたように思えます。キャンパス内は、学 部生達のほとんどが帰省してしまい、さすがに寂しい感じがしましたが、多くの友人が脅したように、キャンパスタウンがゴーストタウンになってしまうほどで はありませんでした。それどころか、教授達や研究熱心な院生達でキャンパスタウンに生活の雰囲気が感じられましたし、キャンパス内は普段とは違った大人っ ぽいアカデミックな雰囲気が漂っているような印象を受けました。

休み中は、知人のアメリカ人宅でホームステイをさせてもらいながら、4人 の子供達のベビーシッターをして過ごしていたのですが、それと同時に(4年に一度開かれる、クリスチャンの学生の会議、ウルバナ2000が開かれたため) キャンパス内での全国から集まる学生達の食事の世話をするアルバイトも見つかり、いろいろと挑戦していました。この期間中は、各州からまたは各国から学生 達が集まり賑やかでした。クリスチャンの学生達は礼儀も正しく、非常に人懐っこいという印象を受けました。働きながら、次第に知人が増えていき、様々な州 の話を聞くことができ、なんだかどこへも行かずして、旅行へいったような、そんな気持ちにさせられることがしばしばありました。ホームステイ先は9人の大 家族でした。毎日の9人分の食事作りを手伝うという(量の多さには驚くことばかりでしたが)、面白い経験もしました。私自身も家族同様に扱ってもらえ、彼 らからは家族の大切さや人の温かさを教わったような気がします。

また、クリスマスのころは老人ホームでボランティアをする機会も得ました。日頃できないことに挑戦しながら、勉強以外のことで多くのことを学んだような気がします。自分自身、こんなに力があったのかと驚くぐらいいろいろと挑戦したような気がします。

こ のような感じで過ごしているうちに、長かった休みもあっという間に過ぎてしまいました。後期の始めからは、少し張りきりすぎたのか、いきなり熱をだしてし まいました。でも遅れたくないという気持ちが強く、そのまま授業にでていたせいか二週間も苦しむ羽目になりました。後期は、会計学を勉強しています。他に も、チェコ文学とイギリス文学の授業もとっています。こちらの教授は生徒を引き付けるのがとても上手いと感じます。そのため、どれも授業は興味深いものば かりです。前期に比べると、気分的には落ち着いていますが、授業の課題をこなすのはいまだに大変です。これが最後の学期かと思うと寂しいです(英語の面で もこのままでは満足できないと言う気分です)、この残された後期、悔いのないように頑張らなくてはと気が引き締まる思いです。

JICの皆様のおかげでこのような貴重な体験をさせていただいていることに感謝しております。私達のこちらでの生活も残すところ半分となりましたが、これからもどうぞ宜しくお願い致します。

武田 麻美(東京外国語大学3年)

喜多亜貴子さんの2001年1月分レポート

こんにちは、JICの皆様。

今年ももうすでに1ヶ月が過ぎ、時の速さに驚くばかりです。シャンペーンはここ最近、とてつもなく寒かったり、もう春かなと思わせたりするほど気持ちのいい天気だったりでうっかり薄着で出かけて風邪を引きそうになるなんてことも何度かありました。

冬休みは家庭の事情で残念ながら旅行の予定もキャンセルして日本に1ヶ月半ほど滞在しなければならないということになり、1月末にようやくこちらに戻って くることが出来ました。しかしながら授業を2週間以上も欠席していたことは思っていた以上に厳しく、いくつかの授業ではすでにグループリサーチや発表が始 まっていたりし、追いつくまでにまだまだ時間がかかりそうですが、教授やクラスメイト達も事情を分かってくれて色々と助けてくれるため、何とかやっていけ そうな感じです。

今学期はマーケティングや広告などビジネス関係の授業を中心に登録しました。どの授業も実際の仕事に結びつく内容であるため大変興味深く満足しています。特に広告の授業では毎回授業の後半に企業の広告戦略に密着したビデオ
を 見るのですが、さすがにアイデア勝負の世界だけあって、それを紹介するビデオもまさに釘付けになるような面白さで、自分が現場で経験しているような気に なって学ぶことができると同時に、アイデアを生み出すことの難しさも経験できます。とりあえず今は溜まったリーディングをこなすのに必死ですが、最後のセ メスターということもあり、学んで帰りたいことがあまりにも多くあるため、この他にもいくつかのクラスを聴講しており、忙しいですが充実した毎日です。

さて、今学期から生活面での変化が少しありました。先学期は学部生用の寮でルームメイトがいたのですが、今学期から大学院生用の寮の一人部屋に移ってきま した。やはり院生は学部生とは違い皆時間に追われる毎日のようで、私自身すでに日本で大学を卒業しているにも関わらず学部生として留学してきたことを幸せ に感じることが多々あります。食事は専ら自炊か外食をしているのですが、シャンペーンのような田舎でもいくつか毎日通いたくなるようなおいしいお店もあ り、満足した食生活がおくれています。特に気に入っているのがJohn St. にあるPaneraというパン屋でいつも席は満席で買うのも並ばなければいけないのですがサンドウィッチなど具沢山でとてもおいしいです。その他にも車を 使えばメキシコ料理などの非常においしいお店にも行けます。またinternational studentが多い寮であるため、よく寮の友人達とクッキングパーティーを開いてはそれぞれの国の料理を作って交流しています。料理経験のほとんどな かった私ですが、何とか日本料理まがいの物を作っています。

留学生活ももうすでに半分以上過ぎてしまいました。もともとあっという間に過ぎるだろうとは思っていましたが、これほどまでに速いとは本当に驚きです。残りの3ヶ月も充実した日々になるよう、体に気をつけて頑張ろうと思います。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

喜多 亜貴子

酒井祥子さんの2001年1月分レポート

約1ヶ月間の冬休みが終わり、16日から新学期が始まりました。始まってすぐは、授業登録や教科書購入など、半年前にここに来たときと同様に慌ただしい日々が続きました。

今学期はアフリカ政治、国際経済、フランス語、英語、合唱、と先学期より多様な授業を登録しました。政治学のみを集中してとっていた先学期とは雰囲気が異 なって新鮮です。アフリカ政治、国際経済、フランス語は、アフリカの開発問題に関わる科目ということで履修しました。アフリカ政治の授業はリーディングや 課題が多く大変ですが、興味深い議論が展開され、履修して良かったと思える科目です。国際経済は教授の教え方がうまく、内容がとても明快です。フランス語 の授業は初心者のクラスにも関わらず、驚くほど進度が速く、ついて行くのが大変ですが、日本語で学ぶよりも分かりやすいのではないかと思います。また合唱 のクラスでは混声合唱でクラシックの楽曲を歌っているのですが、最後にはクラナートセンターでのコンサートもあり、本格的です。

徐々に 生活のリズムを取り戻しつつあった中、先週金曜に起こった発電所火災とそれに続く停電は、非常に興味深い経験となりました。26日の朝、いつものように起 きた私はパソコンの電源が入らないことに気づきましたが、パソコンのトラブルと考え、何事もなかったかのようにシャワーを浴びに行きました。バスルームに 入ると、1つを残して全ての電気が消え、シャワーもトイレも真っ暗な状況でした。たまたま通りがかったRA(Residents Advisor)に話を聞くとAbbott Power Plantというキャンパス内の発電所で火災が起こったために停電が起きているということが分かりました。

この時点でもまだ事態の深刻 さを認識していなかった私は、いつものように授業に出かけました。授業のある建物に入ろうとすると、張り紙がしてあり、ほぼ全ての授業がキャンセルされた ということが分かりました。ユニオンブックストアも閉店、ユニオン内の売店も閉店で、ユニオン内で開いていたのは、真っ暗な中で手作業で販売しているディ ライツだけでした。地下もゲームセンターとビリヤードルーム以外は全て真っ暗な状況でした。自動販売機ももちろん停止していました。

寮 に戻ると、ヒーターがつかなくなっており、部屋の暖気を蓄えるためにカーテンを閉めるように指示されました。真っ暗で寒い部屋に一人でいるのも気が滅入 り、ダイニングルームに行ってみると、人々が薄暗いカフェテリアで紙のお皿、ナイフ、フォークを使って冷たいものを食べていました。入る際にもコンピュー ターはもちろん動かないので、食堂の人が一人一人のIカードの学生番号を手書きした上で、学生がサインをしていました。エレベーターも動かなくなってお り、階段がいつになく混雑していました。当初は復旧に数日かかるかもしれないと言われましたが、その日の夜には大体元通りとなり、生活にそれほどの支障は なくて幸いでした。電力の大切さを身にしみて実感した一日となりました。

最近はまた寒さが戻ってきましたが、こちらに戻ってき た1月中旬には雪もほとんど溶け、拍子抜けしてしまうほどの暖かさでした。冬休みの1ヶ月間は全米各地を旅行してきたのですが、各所で、同じ国内でもここ まで違うのかと何度も驚かされました。他の都市を見て回ったことで、ここイリノイをより客観的に見ることができるようになった気がします。帰国まであと 3ヶ月半と思うと、本当に早いものだと改めて驚かされますが、授業に力を注ぎ、友達とも思いきり楽しんで、充実した日々を続けていきたいと思っておりま す。

酒井祥子

小瀬垣綾子さんの2001年1月分レポート

ごぶさたしております。

日本でも今年は各地で大雪ということですが皆さんいかがお過ごしですか?一ヶ月の冬休みが終わり、授業が始まり、 追われている内にすっかり2月になってしまいました。シャンペーンの冬は思った程悪くありません。たまに人生が嫌になるほど憂鬱な曇天が続く事もあります が、ここ2,3日は毎日快晴です。雪もほとんど溶けました。

私の冬休みは波瀾万丈の一言に尽き、去年の師走の旅行3日前に20世紀に使い 果たせなかったのであろう悪運が一気に押し寄せてきました。結論から言って、日本帰ってしまいました。その前にヨーロッパに3週間いたのですが、私のあま りの疲労困憊ぶりをみかねた母親が日本から愛の手を差し伸べてくれました。おかげ様で、栄養も摂って、顔もますます丸くなって、心も満たされて、シャン ペーンに帰ってきました。

春学期は、楽しい授業で満載です。

photojournalismは秋にどうしても取りたかっ たのですが、人気授業のため諦めたものです。カメラを貸してもらい、毎日毎日、課題の被写体を探し回っています。普通に歩いていても、何か面白そうなもの がある度に下から覗き込んだり、角度を変えてうろうろしてみたり、後ろ向きに歩いてみたりと、かなり挙動不審になっているのも事実です(笑)。それでも、 自分が撮った写真を現像して見るのは本当にワクワクします。デジカメは持っているのですが、今度は一眼レフを買おうと思います。カラースライドをプロジェ クターが映し出したりして、すっかりプロの気分です(笑)。もうしばらくすると、暗室に入ったりする事もあるので、ますます楽しくなりそうです。

magazine articleのクラスは、その名の通り、雑誌記事を書きます。授業内だけに留まらず、実際に雑誌に投稿します。マーケットの分析をしたり、エディターに query letterを書いて送ったり、著名人の記事を読んだり、とかなり実践的です。洋雑誌に私の英語で大丈夫なの!?と思いながらも、日本人ライターとし て!!なんて、心中、野望でいっぱいです。新聞、ブロードキャストとはまた特性の異なるメディアなので、学ぶ事も多くかなり勉強になります。

サ イコロジーも2つ取っています。cognitive psychology と psychology of personalityというクラスで、レクチャーだけの大規模なクラスなのですが、かなり興味深くて、リーディングも全く苦になりません。もう一つはス パニッシュ。elementaryなので、クラスメートもたどたどしく、同じレベルに立って私が臆する事無く発言できる唯一のクラスです。なぜかラテン系 の友達が多いので(メキシコ、ベネズエラ、チリ・・)、彼女たちとスパニッシュでemail交換なんてしたいなって思っています。プラスアルファでベト
ナム語も始めました。個人的にベトナムは世界でもっとも素敵だと思っていて、大好きな国なので、少しでも話せるようになってベトナムにまた行きたいです。それにしても発音がとっても難しいです・・・・。

相 変わらずのシャンペーンですが、日本に帰りここでの時の流れの遅さを痛感しました。大学3年なので、日本では就職活動がもう始まっています。その渦中に呑 み込まれる事なく、今このゆるやかな時の中でじっくりと自分の将来を考えています。私にとってはとても大事な時間です。最近ようやく迷い悩んでいた自分の 将来への決意が固まりつつあります。

もうすぐ終わってしまうモラトリアム。一日も無駄にする事なく、最後の3ヶ月は是が非でも充実させます!

小瀬垣彩子

武田麻美さんの2000年11月分レポート

今朝、部屋のカーテンを開けると辺り一面真っ白の雪でした。こちらは話しに聞いていたとおりに非常に寒いところですね。でも、心配していたほどに気が滅 入ってしまうこともなく、雪の光景はすてきで気に入りました。シンガポール出身の友人が初めて見る雪に、はしゃいでいたので思わず私も嬉しくなってしまい ました。 最近はIllini Unionやキャンパスタウンのあちらこちらにデコレーションが飾られ始め、クリスマスの雰囲気がただよってきました。特に夜のIllini Unionはクリスマスツリーのイルミネーションでとても綺麗です。

さて、JICの皆様、お元気でお過ごしでしょうか?

私は元気でがんばっております。英語での授業についていくのは相変わらず大変なことで、精神的に辛いことも多いですが、なんだか充実していて有意義に過ご せています。また、東京とは違い、ゆったりと時間が流れるキャンパスで、のんびりとした気持ちで勉強ができるのは本当に幸せです。こんなにマイペースで過 ごしていて大丈夫なのだろうかと時には不安さえ感じますが。最近は少し余裕ができたので、勉強以外にもボランティアに参加するなどして、いろいろと行動範 囲を広げていくようにがんばっています。

秋学期の授業は残すところ一週間になり、あとは期末試験を受けるのみです。今は、それぞれの授 業からだされている最終課題をこなしているところです。院生用のESLの授業は予想外にハードなものでした。15ページに及ぶリサーチペーパーと発表とい うのは、学部生の私にとって本当に辛いもので、なんどもくじけそうになりました。これを通して少しでも英語力がついていればと思います。

こちらの授業のペースに慣れ始め、少し余裕ができたころから、日本の大学で専門としていたチェコ・スロヴァキア語の授業を追加登録しました。チェコ語から 英語への翻訳は大変ですが、教授と私を含め二人の生徒という3人での授業は、アット・ホームで非常に楽しいクラスで気に入っています。

最近、次の学期の授業登録があったのですが、またもや希望通りにはいきませんでした。人気の授業をねらいすぎなのでしょうかノノ。最後の学期なので、なんとかがんばって希望の授業をとって帰りたいと思っています。

ところで、こちらの大学へ来てからいつも幸せだなと思うのは、様々な国の友人ができたことです。このサンクスギビングの休みも、ドイツ人・フランス人・イ ンド人の友人とニューヨークを旅行してきました。事あるごとにお互いの国の話で盛り上がりました。特に国連を見に行った帰りに、夜遅くまで互いの国の政治 や文化についてを話しあったことは最高の思い出になりました。

こちらでは、勉強以外のことで、多くのことを学ぶことができ、内面的に自分自身が成長したような気がします。このような機会を与えてくださったJICの皆様に感謝しております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

武田 麻美(東京外国語大学3年)

喜多亜貴子さんの2000年11月分レポート

JICの皆様、こんにちは。早くもこちらに来てから3か月半が経ちました。キャンパスの木々が美しかった時期はあっという間に過ぎてしまい、いよいよ恐怖 の冬がやってきたなという感じです。とにかく今月はペーパーに追われ、かなり忙しい日々を過ごしました。目の前にある課題を一つ一つ片付けていくことで精 一杯という感じでしたが、今はファイナル前の静けさを2・3日味わっているという感じです。やはりアメリカの大学は想像していた以上に勉強で忙しく、日本 の大学生の生活とは全く違うなという印象です。寮の中でも勉強が辛くて泣いているフレッシュマンも時々いたりして、日本では決してありえない光景にある意 味大きなカルチャーショックを受けました。こちらの生活にももう慣れ、基本的に平日は勉強をし、週末はできるだけ勉強から離れるというペースがつかめるよ うになってきました。フロアの友人達との交友も日を追うごとに深まり、週末には映画を見に行ったり、買い物に出かけたり、おいしいレストランを捜したり と、何もないシャンペーンにいながらもそれなりに楽しんでいます。先日は生まれて初めてアイスホッケーの試合を観戦し、Illini17‐Buffalo 0 という大勝に皆、大盛り上がりでした。

授業の方は基本的に問題なく進んでいますが、やはり少人数のクラスの方が授業の醍醐味が味わ え、楽しいです。またESLのクラスはとてもアットホームで、課題が多くかつ授業はそれほど目新しくないものの、受講して良かったなと思えるクラスの一つ です。サンクスギビングにも酒井さんも含めたESLのクラスの友人達とカナダを旅行し、楽しい想い出を作ることが出来ました。

いよいよ今 月半ばに春セメスターの登録が始まりましたが、また他の学生よりも遅い登録開始日であったため、ほとんどの授業がCloseで現在もまだ希望の授業に登録 するのに苦労しています。 Departmentの方からも授業が実際に始まるまで待てと言われてしまいました。春はマーケティングなど、ビジネスに直結 する授業を受講したいと思っています。冬休みまであと2週間ほど、後はファイナルを乗り切るだけです。冬休みは就職活動のため1週間ほど日本に帰国し、そ の後は少し気分転換にアメリカから離れて見ようかなと思い、スペイン、ポルトガルを旅行する予定です。

秋セメスターを振り返ってみると本 当にあっという間だったなという感じです。最初のうちは生活の基盤を作り上げたり、生活スタイルに慣れたりということだけで精一杯だったのですが、少しず つ勉強にも遊びにも時間を費やせるようになってきて、後半は忙しかったものの大変充実した日々を過ごすことが出来ました。この調子で行くと春セメスターも あっという間にすぎてしまいそ
うですが、生活にも慣れた分、更に色んなことに挑戦でき、より成果の多い学期になるのではと期待しています。

喜多 亜貴子