堀川裕美子さんの2003年1月分レポート

IC会員の皆様

あけましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願いします。

さて、現在留学中の堀川裕美子さんから1月分のレポートです。

カリブ海なんて羨ましい!限りです。
日本の温泉宿のバスがどのようなルートで辿り着いたのか、
気になるところです。

それでは、お楽しみ下さい。

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2003年 1月分レポート
堀川 裕美子
東京都立大学 人文学部
社会福祉学科3年
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あけましておめでとうございます。

旧年中は大変お世話になりました。
ありがとうございました。

日本も寒いとお聞きしておりますが、
皆様いかがお過ごしでしょうか。

こちらにきてから、すでに5ヶ月目に入り、
年も改まりましたが、とても信じられない思いでいっぱいです。

さて、今回のレポートでは、
秋セメスターと冬休みについてご報告させていただきたいと思います。

秋のセメスターでは、ESLを2つにソーシャル・ワークを2つ、それに特殊
教育1つのあわせて5つの授業をとっていました。リーディングの量の多さ、
小テストやペーパー、プレゼンテーションなど、常に何かにおわれて時間が足
りないというのが、正直な感想ですが、同時にどれも大変興味深く、有意義な
ものでした。中でも私が一番楽しかったのは、発音のESLのクラスで、毎回、
毎回授業に行くのが楽しみでなりませんでした。このクラスでは、発音の練習
というよりも、知らない単語にであったとき、どのように発音するかを予想す
る規則性を学んだり、会話におけるアクセントの変化やストレスのおき方など、
おそらく、ネイティブ・スピーカーも知らない法則について知ることが出来ま
した。また、このクラスは、interestingなだけではなく、funnyでもありまし
た。日本語に置き換えてみるとわかるかもしれませんが、たとえば、thの発音
を練習するためにmotherという単語を繰り返すということは、「おかあさん」
「おかあさん」と全員が声をそろえて、真剣に繰り返しているということで、
ネイティブ・スピーカーのインストラクターの気持ちを考えると、とてもおか
しく思えてしまいました。また、私のいたクラスは韓国人、中国人が多く(と
いっても、全部で10しかいませんでしたが。日本人は私1人でした。)、彼
らの言語にもvやf、thの発音のような、唇や舌をかむ習慣はあまりないようで、
それらを発音するときの、何か恥ずかしい気持ちをお互いに理解できるのが面
白かったです。また、特に私は、他の全員が大学院生で、年齢もかなり上のか
たがたが多かったこともあって、かわいがっていただいたのではないかと思い
ます。なかに、私の母くらいの年齢の韓国人の女性がいて、彼女が自分自身の
発音に笑い出すと、その気持ちがよくわかる私も笑い出し、2人が笑い出すと
とまらなくなるため、私は毎回必死で笑いをこらえていました。

そんな、楽しくも厳しくもあったセメスターもなんとかファイナルを乗り切り、
冬休みを迎えることが出来ました。サンクスギビングには東海岸を凍えそうに
なりながら旅したので、これ以上寒さはいらない、といって、友人と2人でカ
リブ海はバハマに行ってきました。バハマのナッソーというところにいったの
ですが、とてもとても田舎で、私たちの泊まったホテルはその中でも田舎、ダ
ウンタウンまでバスで40分、しかもそのバスは1、2時間に一本という少な
さでした。実際このバスを逃して、私たちは2時間ボーっとたっておりました。
バスといっても、日本で動いているような大型バスではなく、いや、日本で動
いていたまさに日本の温泉旅館のバスがそのまま、バハマに運ばれており、バ
スの側面には「○○温泉旅館」という文字が半分隠されていて、ドアには
automatic doorではなく、「自動扉」とかかれていました。さらに、時にはバ
スはドアを開けたままで走ったり、なにせ2時間に1本のバスですから、出来
るだけ多くの人を乗せようと、温泉旅館バスのあの狭いドア付近にも人が立っ
て2、3人乗り、それでも運転席の隣が空いていたのですが、ドアにはすでに
人がいて、動けない状態ですので、窓から人がのりこんでくるということもあ
りました。

また、人々はのんびりとしていて、おおざっぱなのか、あまり物事を気にしな
い、文句を言わないという印象でした。たとえば、マクドナルドはマクドナル
ドではありませんで、相当のんびりと対応してくれ、ファーストフードではあ
りませんでした。私たちがコーヒーをたのむと、コーヒーはもうない、と言い、
紅茶を頼むと、熱湯がないと言うのです。結局熱湯はあったのですが、なぜか
私の友人はお金を請求されることもなく、紅茶をてにいれ、砂糖とミルクはな
にもいわないのに、4個か5個ずつつけられました。

ホテルでは電話がついているのに、電話はかけられず、それが、私たちの部屋
だけかと思えば、どうもどの部屋もかけられないらしく、私が頼みの綱の、イ
ンターネットのメールをうちにいくと、やはりメールを打っていたほかの宿泊
客に、電話がかけられたか、ときかれたので、かけられないけど、かけられた?
ときいてみたところ、みな、かけられないということがわかりました。さらに
は、金庫が使えます、とホテルの従業員が到着したときに案内してくれたのは
いいのですが、金庫には鍵がなく、何の意味もないお飾りでした。むしろその
金庫に入れていたら、わざわざ大切ですよ、と教えているようなもので、まる
で昔のコントのようでした。

しかし、このような体験もすべてが楽しく、とくに海はきれいで最高に気持ち
がよかったです。私たちはパラセーリングというウォータースポーツに挑戦し
ましたが、パラセーリングは、パラシュートをしょって、船につながれ、その
まま船が前進することによって起きる風の力で空を飛ぶというもので、本当に
気持ちがよかったです。

カリブ海にはほんの5日間滞在し、年末にシャンペーンに戻ってきました。
新年は中国人のルームメートとふたりで、ワンタンをつくったり、煮物をつくっ
たり、お雑煮を作ったりして、だらだらとすごしました。とくに2人で、自分
たちのような人は他にはいないだろう、といいながらみていたのは、アイアン・
シェフ(料理の鉄人)で、なんと元旦のお昼の12時から夜中の12時まで、
ほとんどずっと、アイアン・シェフを半ばいやになりながら、むしろ意地になっ
て見ていました。それも楽しかったのですが。

とにかく、シャンペーンではほとんどすることがないので、もう一度くらい旅
に出かけたら?とルームメートにもいわれ、シカゴにでもいってこようかな、
とのんびり考えているこのごろです。

次のセメスターも、また有意義な経験をすることが出来ると思うと、本当に皆
様のご支援に感謝しております。秋セメスターも皆様のおかげでこのように、
乗り切ることが出来ました。心よりお礼申し上げます。次のセメスターでもお
世話をおかけすると思いますが、どうかよろしくお願いします。

それでは、ながくなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

本年も皆様にとって、すばらしい年となりますことをお祈りいたします。

東京都立大学 人文学部 社会福祉学科3年 堀川裕美子