わたくしは、JIC 派遣留学生として昨年から今年にかけてお世話になっております、向 修一と申します。昨年の 3 月に東京大学理学部地球惑星物理学科を卒業し、4 月から都内にある IT 関連の小さな会社でアルバイトをしていました。U of I では主にコンピュータ・サイエンス (CS) の基礎を勉強して、帰国後にその分野で大学院へ進学する準備とし、同時に英語力を大幅に延ばそうと目論んでおります。
夏学期は、CS の科目を 2 つと、中国語、それに ESL を受講しました。 CS は「データ構造とソフトウェア・プリンシプル (CS 225)」、「オペレーティングシステム(CS 323)」の 2 つです。
ご 承知の通り、U of I の CS Department は、米国内でも最も入学の難しい学科の一つです。そこで学ぶ機会を頂けたことは、この上なく恵まれたことだと感謝しております。授業で周囲を見渡す限り、 学生はアジア人の比率が比較的に高く、また 9 割以上が男性であるのが特徴です。(余談ながら、これは直感的には理解可能でも、実際には社会的要素の絡み合った、深い問題だと思います。)
CS の授業は、非常に「実践指向」であるという印象を受けました。CS 225 はプログラミング中心の授業で、頻繁に「real world では」という表現を耳にしました。教師も実務経験に基づいた方法論を強調する一方で、学生の側も「授業 (アカデミックの世界) ではこういう扱いをしているが実際の職場ではどうなのか」といった情報を多く期待しているように見受けられました。 CS 323 もオペレーティングシステム理論の授業とはいいながら、先生の専門の関係もあってか、マルチメディア関連の例を盛んに持ち出し、学生の興味にかなり沿った 講義が行われていました。
ずっと Green Street の北側 (理工系キャンパス) にいると息が詰まってしまいそうなので、気分転換に中国語を取ってみました。私が選択したのは漢字をいっさい教えない初習者向けコースで、少人数だったこ ともあり、かなり楽しい経験でした。(中国語が身に付いたかは別として…) 漢字を使わない教え方というのは、日本では得難いに違いない面白い学習形態でしょう。
ESL については、さほど驚きはありませんでした。教授法は全て日本で触れたことのあるものばかりでしたし、(リスニングとスピーキングを強化したかったのにもかかわらず) ライティングの授業を取らされてしまったので、ただ無難にこなしたのみです。
冬 休みは、フロリダにフットボールの試合を見に行ったあと (近年の動向をご存じの方は信じられないかも知れませんが、Fighting Illini が MicronPC.com Bowl に出場し、Virginia を圧倒して、最終的にランキング 25 位に入ったのです) 、Y2K 問題 (?) でチケットが安かったこともあり、日本に帰国しました。(その後に IAP-66を紛失し、学校から FedEx で送ってもらうという失態を演じてしまうのですが…)
春学期ですが、(初めは満員で全然取れなかった) CS の授業が、学期開始後に滑り込みで登録できて、とりあえず一安心といったところです。それから、英語が余り上手くなった実感がないので、もっと使うようにせねば、と思っています。
以上、簡単ですが、近況報告とご挨拶まで。今後ともよろしくお願いいたします。