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2003年 10月分レポート
篠原史温
東京大学工学系研究科システム量子学科
修士課程
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JICの皆様、はじめまして。2003年度JIC奨学生の篠原史温と申します。僕がシャ
ンペンに来てからもう2ヶ月が過ぎました。本当に濃い2ヶ月間でしたが、思え
ばあっという間でした。今回のレポートではこの期間を振り返り、自分が何を
して、何を感じたかを書きたいと思います。
まずここに来てからの最初の思い出といえば授業登録を済ませるまでの不安定
なあわただしさです。こちらに来る前に先輩から「授業登録をする前にやるこ
とリスト」みたいなものをいただいていたのですが、それがとても役に立ちま
した。
連日果てしなく続くオリエンテーション、チェックイン、銀行口座の開設、英
語のテスト、ガンポートさんとの面会、免疫注射、等など。いつまでこれが続
くのだろうと思うくらい「やること」に追われていたのを覚えています。「一
体いつになったら授業が取れるのだろう?ホームページ上のタイムテーブルを
見るたびに”full”(定員いっぱい)の数が増えていく。。。」僕たちは英語
のテストの結果が分かるまで授業登録できなかったので、結果的にかなり登録
が遅れてほとんどの授業が”full”と表示されていました。僕の取りたかった
授業は幸いにもたくさん開講されているかもしくは大教室の授業なので問題は
ありませんでしたが、とりたかった授業が取れなかった人もいたようです。
次に印象深いことといえば寮とそこの人々のすばらしさです。僕はAllen
Hall(Unit One)という学部生の寮に住んでいるのですが、はっきり言ってここ
は最高です。来て間もないころからすぐにフロアメイトとうちとけられました。
ある日、僕がオリエンテーションに疲れきって昼寝をしていたらドアが激しく
ノックされました。「どうしたの?」と僕。「日本の“Yatta”って知ってる?」
とフロアメイト。僕は最初彼が何のことを言っているのかさっぱり分かりませ
んでした。彼がはっぱ隊(日本のコメディアンのグループ)の歌「やった!」
のことを言っているのだと分かるまでにしばらく時間がかかりました。「でも
その歌は2年以上前のだし、そもそもなんでそんなの知ってるの?」と聞くと、
「インターネットで知った」といっていました。本当にこんな時代に生まれて
きてよかったなあと感じました。こういう風に日本の文化(?)が世界に発信
されていく時代なのですね。
後日、寮のCoffee House(一発芸大会みたいなもの)では僕をいれた6人のフ
ロアメイトで「やった」の踊りを披露しました。(参考:
http://www.mit.edu/people/patil/yatta.html 左の段の八行目、yatta.asf
をクリックしてみてください。これが本物です。僕らも同じく「紙おむつ+紙
はっぱ」のみで踊りました。)このパフォーマンスがとても受けて僕は一気に
寮の内外にその名を知られるようになりました。そんなこんなで寮生活の「つ
かみ」はばっちりでした。
学部生の寮といえば必ずルームメイトを持つことになります。生まれて初めて
のルームメイト。思えば、ルームメイトがどんな人であるかがイリノイに来る
前の最大の関心事かつ悩み事でした。来る前に彼の名前と電話番号は知らされ
ていましたが、何を話したらいいのかもよく分からないので特に連絡も取りま
せんでした。彼はみんなより遅れて、授業開始ぎりぎりに入寮して来ました。
それまでの間、僕は「一人暮らし」状態。「一体いつになったら来るんだろう?」
と毎日どきどきしていました。毎日フロアメイトに「ルームメイトがまだ来な
いんだよ~」と愚痴ってました。でも実際に彼に会ってみたら彼はとんでもな
くナイスガイでした。彼ともすぐに打ち解けて、今ではイリノイで一番仲の良
い友達です。来る前に先輩が「ルームメイトと本当の友達になるのは難しい。
ただの共同生活者になる可能性のほうが高い。」と言っていましたが、僕の場
合は幸運にも本当の友達になれたようです。
今学期にとっている授業の中ではスピーチのクラスが一番面白くてやりがいを
感じます。このクラスでは1セメスターに6回のスピーチをみんなの前でするこ
とになっていて、僕はすでに4回やりました。最初のスピーチは「自己紹介ス
ピーチ」でした。人生初の100%アメリカ人たちの前でのスピーチ。「彼らは
僕のことをどう思うのだろう?」そんなことを考えたらとても緊張してきて話
している間足がガタガタ震えたのを覚えています。
「自己紹介スピーチ」では自分がどういう人間であるのかを色々なエピソード
を入れながら4分間以内で話すことになっています。僕は「小さいころからジャッ
キーチェンにあこがれていてずっと彼のようになりたかった自分」を4分間熱
く語りました。結果はなかなかでした。
僕の目標は「分かりやすく、ユーモアのあるスピーチをする」です。いかにし
て聴衆に理解させるか、そしてかつ笑いを取れるか。毎回が真剣勝負です。原
稿は見ないで話すことになっているので前日と当日の朝は練習の雨嵐です。得
に、ネイティブスピーカーではない僕は人より話すスピードが遅いのでなるべ
く速く話せるように練習、練習、練習です。前日と当日はかなりストレスがた
まるのですが、スピーチが終わったときのあの快感はたまりません。もう病み
付きです。
生活面では、寮のカフェテリアが食べ放題式なので食べる量が日本にいるとき
の2~3倍程度に増えてしまいました。さらにほぼ毎日のようにIMPE(キャン
パス内のジム)に通ってハードにトレーニングしているため、アメリカ人より
も「アメリカ人」をしている感じです。このペースで肉体改造が進むと僕も将
来はカリフォルニア知事になれちゃうんじゃないかとちょっと思ったりもしま
す。
他のJICの奨学生の中村さん、砂子さん、江崎さんとはとても仲良くしていま
す。しょっちゅう4人で集まって料理を作ったり、誕生日を祝ったり、その他
色々楽しんでいます。本当にこの3人とここに来られて幸せだなあと常々感じ
ています。この3人は「同士」または「兄弟」といった感じでしょうか。
他の留学生の中では特に韓国の人と仲が良いです。韓国の人とは英語で喋って
いても不思議と日本語で喋っているときのような安心感を覚えます。きっとこ
れは日本と韓国は文化、考え方などで共通項が多いので「言語以外の」コミュ
ニケーションが作用するからだと思います。僕はまだ韓国に行ったことがない
ので、将来絶対行こうと決めました。このようにアメリカ人以外の人々とも親
交を深められるのがこの留学のすばらしいところだと思います。ここにいる間
に一人でも多くの人と出会い、一人でも多くの人と一生付き合えるような友情
を築きあげられたらどんなにすばらしいことだろうと思います。僕はまだ少し
シャイなところがあるのですが、これからはもっともっと積極的に友達作りに
励みたいと思います。
とまあ長々とつれづれなるままに書いてしまいましたが、本当はここでは書き
きれないくらい沢山、すばらしい経験をさせていただいております。このよう
な機会を僕に与えてくださったJICの皆様に深く感謝するとともに、帰国後は
僕たちの後輩のために、またJICの皆様全員のためになにか恩返しが出来たら
と考えています。本当にありがとうございます。



